オタク心を語る春の夜――卯月コウが繰り広げる“ジジイ論”とサブカル愛
春の寒暖差が身に沁みる4月、にじさんじの卯月コウが今回もリラックスムードで配信を展開。窓の開け閉めから始まった雑談は、そのまま“空気の話”に発展し、やがて持ち前のオタク視点でサブカルチャーと時代論へと広がっていった。
“副鼻腔炎”から始まる病院トーク
冒頭、「窓開けるのにハマってます」と語るコウ。自然の空気が好きというナチュラリストな一面を覗かせつつ、「花粉症ないけど副鼻腔炎はある」の話題へ。耳鼻科通いの思い出やチビ時代に吸った“耳鼻科のシーシャ”トークで、リスナーからも共感のコメントが飛び交い、チャット欄も盛り上がる。
病院ネタでは、皮膚科、整形外科など“混んでる病院あるある”が炸裂。特に「耳鼻科の先生を追いかけた」エピソードはコウらしい情熱に溢れ、何気ない日常もエンタメにしてしまうカラッとしたトーク力が光る。
“肩書き”と“箱推し”文化を語る
芸能界や配信業における“肩書き”や“箱推し文化”についても、独自視点で深掘り。「国家公認配信者、面白くはならない」「事務所の名前で全体にバフがかかるみたいな感覚、にじさんじやホロライブは特殊」といった考察に、リスナーからも「わかる」の声。にじさんじ所属ならではの微妙な距離感や、“箱”の規模、ファン心理の変化にも鋭くツッコミを入れる。
「6000人の芸人を全部把握できるオタクなんていない」「ジャンプ作品も同じで、全部知るのは不可能」――そんな大量の情報社会やオタク的知識欲の矛盾にはじまり、審美眼や“好き”の基準が多様化している現代のオタク像をさりげなく写し取っていく。
春、新生活と“発芽”するオタク心
話題は季節ネタや日照時間による気分の揺れまで発展し、「秋田や北欧は日照時間が短いから鬱が多いらしい」と、データと体感が交差する雑談へ。南国と北国の創作性や精神の明るさ、そして「自分が南国で生まれてたらオタクになってた?別の道だったかも」なんてセルフ考察もしっかり挟む。
オタク心の発芽を“ロールパンナ”や“綿毛”に例え、「水をやらなきゃ芽は育たない」「大人になって何かで再発芽するかも」と語る一幕には、つい胸が熱くなったリスナーも多いはず。
春といえば桜。桜を“ピカチュウ級”の国民的存在と称し、ネモフィラや梅、ひまわりの追い上げなど花のTier(ランク)付けを楽しむ中で、「桜には花見の“バカ野郎”文化もつきまとう」と一味違う切り口も披露。どこか昭和のほっこり感も添えて、話題はどんどん広がっていく。
創作とプラットフォーム、オタクの世代論へ
漫画やアニメ論、“ローゼンメイデン”や“エロゲー”的な作品への愛、“SNS通知”や“自分のオタク感”にも波及。新旧のオタク観や、「昔は通知入れないのが玄人という謎の矜持があった」「今は通知ONにしようかな」など、ちょっとしたセルフアップデートもポップに披露。
「創作から逃れられない人間」「全員が何かしらの作品を楽しんでいる」という言葉には、現代のエンタメ環境への暖かいリスペクトも感じられる。
“ジジイ論”で締める、コウ流の自己メタ
最後は「本当のジジイは自分をジジイと思わない」という“ジジイ論”でまとめ上げ。若さと老い、自己認識をユーモラスに絡めつつ、「俺は自分をジジイだと思ってる、だから一番若い」と言い切る姿がじわっとリスナーの心を掴む。
にじさんじならではの距離感、サブカル・オタクのゆるユーモア、そしてコウならではの自己分析が光る充実の配信回。気まぐれな春の夜、窓を開けたくなるような、風通しの良いトークだった。