2025年4月4日

音楽と歩んだ5年、新たな誓いへ――弦月藤士郎、5周年ライブの裏側

VTuber界屈指の音楽ライバー、弦月藤士郎が「にじさんじ」デビューから5周年を迎え、リスナーと共にその歩みを振り返る記念配信が開かれた。派手な演出や特別企画よりも、弦月らしい芯のある言葉と、バルツの仲間たちへの愛、そして何よりリスナーへの想いが詰まった夜となった。

バルツ再集結――3年ぶりの3Dライブ舞台裏

5周年の大舞台となったのはバルツによる3年ぶりの3Dライブ。配信冒頭、弦月は「前回のバルツ3Dライブは2022年。今回、本当に久々のフルスケール!」と感慨深げに振り返る。オリジナル曲だけで1時間ものステージを埋め尽くせるほどの成長に、バンドの進化と高揚感がにじむ。

ライブ準備で特にこだわったのは「配信の精度」。スマートフォンで自身を映し、口と音声のラグ調整にまで細やかな気配りを重ねるのが弦月流。「唇の動きに声が“ピタリと合う”=バーチャルライバーとして譲れない美学」と語る姿勢に、バーチャルならではのプロ意識が光る。

歌声の進化と挑戦、苦悩も乗り越えて

弦月はこのライブを機にボイストレーニングにも挑戦。直前には喉を痛めた苦い出来事も。「自分の耳で“正しい音程”がわからないから、今回少し高めを意識して歌ってた」と明かし、“主観と実際”の微妙なギャップと向き合い続けたストイックな姿にリスナーから共感の声が集まる。

Beyond the Frameでは不安の渦中ながらも、力強いパフォーマンスが会場を一つに。仲間の長尾も「ラップパートの演出を考え抜いた」と裏話を披露し、ライブを支えるバルツメンバー全員の努力が随所に現れた。

ハードルを越えて実現した新たな音楽体験

今回の3Dライブでは弦月自らピアノを披露。立ちながら演奏するため中指の保護テープを絶えずつけ直すなど、知られざる舞台裏エピソードも。「普段は紙の楽譜が好き」というのも元吹奏楽部ゆえ。「紙をめくる手触りが安心につながる」と語るなど、“楽譜との向き合い方”からも彼のリアルな音楽愛が伝わってくる。

演奏時のアイコンタクトや、リハーサル終わりの即興決定事項など、ユニットならではのライブ感。直前にコーラスを加えるといった即決も、バルツならではの“現場力”だ。

新曲・浮世の演舞リビジョン、グッズや裏話も満載

新曲「浮世の演舞リビジョン」では、和のテイストにエレクトロの巧みなミックスが光り、リスナーからも好評の声。ミックスや細部の調整にはバルツメンバーからのリクエストも反映し「あらゆる意見を形にしながら仕上げた」と、制作の舞台裏も明らかに。サウンドの進化、感想パートの刷新など、細部に及ぶこだわりも惜しみなく語られる。

そして音楽活動だけでなく、グッズ制作の話題も。「鳥モチーフが人気らしいよ」と微笑み、身近な人がグッズを集めてくれたという素朴な嬉しさも共有する場となった。

「これから先も、一緒に」――リスナーへの思いは変わらない

ライブの最後、最大の見せ場となったフレーズがある。「これからもバルツと一緒に歩んでください」――決して軽くないこの言葉は、“続けること”の不安やプレッシャー、そして5年間の感謝が込められていた。「自分ができる限り、色んなことをしようと思えたのもリスナーのおかげ」と語る姿は、何年経っても変わらない誠実さそのもの。

活動を続ける上で苦しんだ体調不良や自信の揺らぎ。しかし、「ファンレターや現場で出会うみんなが居てくれたから、5年迎えられた」と熱く語る――リスナーへの強い感謝と絆を、言葉でしっかり伝えてくれた。

5周年を経て、ますます進化していく弦月藤士郎とバルツ。その「音楽と想い」は、これからの6年目、7年目へ――リスナーと一緒に奏でていく物語だ。

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