「ドーナツの穴」と問う、心の迷宮で紡がれた1時間 白雪巴が見せた“自分”との対話
にじさんじの“女王”こと白雪巴が、哲学的フリ―ゲーム「ドーナツの穴」に挑戦し、リスナーと一緒に自分や世界について深く語り合う濃厚な配信を繰り広げた。思わず「これぞ白雪巴!」と唸らされる思な雑談トーク、そして“決して正解のない”思考実験の数々に、チャットも大いに沸いた一夜だった。
始まりはまったり、もやもやの渦へ──女王、悪魔衣装でゲームの世界へ
喉のケアを最優先しつつも、ファンミーティング前の大事な時期に「単発モノ」配信を選んでくれた白雪巴。今回は珍しい“悪魔衣装”でお目見え、画面には収まりきらない輪っかと羽根に「収まらない姿も完全体」という凛とした女王オーラが輝いた。
チャットには「巴さんの声が久々!」といったリスナーの喜びが溢れ、和やかな雰囲気でスタート。しかし物語は、進行役で現れる謎のキャラクターによって一気に思考実験の迷宮へと導かれるのだった。
ドーナツ、たこ焼き、お肉と魚…正解のない問いに本気で向き合う
「ドーナツの穴はどこまでなら存在する?」という哲学的な問いからスタート。巴女王は、「全部食べちゃったら穴はない、でもドーナツがある限り穴はあるのでは?」と悩み抜き、リスナーに「みんなも一緒に考えようよ」と呼びかける姿が印象的。
続く「お肉と魚、どっちしか食べられない?」の究極のチョイスには、「将来のことを考えたら魚。だけどスポットで食べたいのは絶対に肉!」と無邪気な本音を覗かせ、食談義モードへ。たこ焼きの「半分にした時、それはたこ焼きか?」という問いでは、「全部たこ焼きだよ!」ときっちり自分なりの線引きを披露。
こうした問いのひとつひとつに女王としての潔い判断と、時折現れる優しい“素”が混じり合うのも、白雪巴の配信の大きな魅力。チャットも「ドーナツの穴が気になって仕方ない」「たこ焼き食べたくなる」など、視聴者の感情を誘う場面が続いた。
スワンプマン問題、臓器くじ…“命”に迫る質問に、巴の真摯な思索が光る
ストーリーが進むにつれて雰囲気は一転。人間のコピーは“人間”か?健康な人から無作為に臓器を抽選する制度は是か非か?といった“深い”問いに、「本人の同意が絶対」「コピーには過去の積み重ねがないから人間とは言いづらい」と、真剣に向き合い悩む巴。
「自分の命を誰か大切な人に役立てるなら迷わず差し出すけど、他人の命をくじで決めるのは絶対NG」と“女王”の立場らしからぬ、でも本音でまっすぐな人柄がにじむ場面も。リスナーからも「すごく考えさせられる」「命の難しさに胸が詰まる」と経験や価値観が飛び交った。
“自分”が“自分”であり続けるために──巴流の哲学とリスナー愛
エンディング分岐を両パターン体験し、最後は“自分が自分であるとは”“人はどう生きるか”という、配信ならではの柔らかさと重みを残してトークは幕を閉じる。
「バーチャルの世界だからこそ、私はコピーできない唯一無二の存在。“みんなと出会えたことで今の自分になってる”」という、にじさんじライバーとしての誇りと、リスナーへの心からの感謝がしっかり語られた。
たこ焼き、ドーナツ、チュロスの話から“これからも悔いなく生きていこう!”と着地するあたり、女王白雪巴らしさ全開。難解なテーマもユーモアとぬくもりで包み、「考えるってやっぱり楽しい!」と改めてファンを惹きつけた。
今夜の配信は、ドーナツの穴のような“空白”や“正体不明な部分”があるからこそ、人は考え、選び、誰かと出会う。その面白さと大切さを余すことなく感じさせてくれる──そんな一時間になった。
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