【スト6】#RedBullKumite2025 『Red Bull Kumite Paris』ミラー配信!(ゲスト:RCあきら・折咲もしゅ)【獅白ぼたん/ホロライブ】
ストリートファイター6|獅白ぼたんさんのRed Bull Kumite Parisミラー配信:Ryuの疾走と投げループの地獄を見届けた夜、EndingWalkerさんの圧巻ルートとかけるさんのザンギ戦術を徹底追跡
配信全体は、名場面をそのまま見守るだけでなく
今回はカプコンの最新タイトル、ストリートファイター6の世界大会企画「Red Bull Kumite Paris」を、獅白ぼたんさんがゲストのRCあきらさん、折咲もしゅさんと一緒にミラー観戦しながら、プロの視点で局面の勝敗要因を言語化していく内容であった。大会の肝は長丁場の5先やチーム戦構造、そして“読みが回り切った後の手筋”が問われること。配信では梅原さんのルークが「いつ飛ぶか」を先取りする読みで空を制し、開幕の弱系ラッシュから主導権を握る場面や、空中ヒット確認からの中段切り替えの判断速度など、フレームの継ぎ目を突く具体例が次々に提示された。さらに、JPの冷徹な遠距離制圧が画面端を延々と維持する厳しさ、ザンギエフの投げ択が見ている側を熱狂させる一方で、プレイヤー側の神経を焼く構造も語られる。終盤はEndingWalkerさんのRyuが、差し返しと対空を土台にした“押し引きの完成度”でボンちゃんさんのラシードを突破し、アンダードッグ側の台頭という物語性も含めて大爆発。配信全体は、名場面をそのまま見守るだけでなく、要所で「なぜ通ったのか」を動作レベルで噛み砕くことに価値があった。
JPの術中に堕ちるか、ザンギの圧で押し返すか:画面端という“処刑台”の歩き方
JPがリードを取る定石は、弾と設置で“寄らせない”ことにある。配信では「冷静すぎて怖いこのJP」という評が出るほど、置き技と弾速のコントロールが緻密で、歩きガードだけでは距離を詰めた実感が得られない。そこに対するザンギの選択肢は、スキを嗅ぎ取りつつラッシュや前ジャンプを通し、画面端を背負わせて“投げの圧”で固めること。だがJPはバンアウトしてもSH(無敵)を握っている状況が多く、最悪の状況からも一手で相手の攻め順を切り返してしまう。配信中の解説どおり、攻めながらバーンアウトを迎えるJP側はスペースと無敵の両方でリスクヘッジしており、ザンギ側は端で詰めてからが長い。実際の試合でも、詐欺飛び気味の寄りで対無敵のケアをしながら前進し、スクリューの圧に相手が暴れたら空対空や地上対打撃で取り返す“総動員戦術”が機能していた。視聴者側は「やってる側は最悪なのに、見てる側はこんなに楽しい」というコメントどおり盛り上がるが、その楽しさの裏側には、対無敵の細かな表裏択と、ゲージ残量、入れ込みの管理があることも冷静に共有された。
- JPの弾幕をくぐってザンギが触りに行った場面
この局面でのかけるさんの画面端維持時間は長く、前歩きガードからの一瞬のラッシュ差し込み、そしてコマンド投げの気配を漂わせる前ステップ。視界に入る行動のほぼ全てが“投げの恐怖”を最大化するための布石になっていた。
梅原さんのルークが“先に飛ぶ”意味:開幕の弱系ラッシュと空中ヒット判断
配信のハイライトの一つは、梅原さんのルークが“ノア”の空対空意識を踏まえた上で、先に空中を制したシーンだ。対空待ちの相手に対して自分から飛ぶのはリスキーだが、事前の地上圧で下を固めてから一拍置いて飛ぶことで、対空のタイミングをズラす。これが刺さると相手の視線は空へ釣られ、開幕の弱系ラッシュや前ステップが通りやすくなる。配信でも「開幕ジャッケイラッシュ」「空中ヒットの判断から中断へ切り替え」と具体的に口に出すほど、入力の順番と判断の速さが勝敗を左右していた。ルークの中足波動や立ち強Pラッシュからの押し付けは、ゲージが3本ある時に最大化する。だがラッシュが弾かれればルークは一転して弱く見える。だからこそ、ゲージ使用の精度と、相手のディレイテックや暴れの習慣への“押し付けどころ”の見極めが勝ち筋になる。
- 空対空意識を逆手にとったジャンプインから主導権を取る場面
実際、ラウンドの冒頭で弱系からラッシュを入れてラインを詰め、空中ヒット確認後に中段へ切り替える一連は、対空一点読みの構えを崩す見事な手順だった。
“飛ばない”ガイル戦であえて飛ぶ:ガチ君さんの決断力が語るもの
ガイル相手にセオリー通り玉抜けと前歩きでゲージを溜める展開が続く中、ガチ君さんは“飛ばなきゃ勝てない”局面を正確に見極めて前ジャンプでラインを取り返した。配信でも「ODソニックをガードしたタイミングでSAが溜まった。自分から触れに行くより、ガードで安全にゲージを上げる選択もある」と、ゲージ運用の視点から勝ち方を組み立てていたのが印象的だった。SA逆択のにおいが漂う残り体力状況で、無理に返さない我慢が勝負を長引かせ、玉撃ちの隙にだけ差し込む。そこに至るまでの差し返し対策、ボタンを置くリズム、そして“動いた瞬間に押してしまう人間の反応”が食われる構図も語られ、視聴の軸は完全に実戦のそのままへと寄せられた。
- 玉を盾にSAを溜めつつ、勝負所でだけ飛ぶ選択を通した場面
この読み合いは視聴者も熱く、チャットでは「ウメちゃん頑張れぇ」といった声援も飛ぶ。プロ同士の屈指の地上戦に、無謀ではない“飛び”という選択が差し込まれた瞬間だった。
投げループを観客目線で解剖:かけるさん vs ザンゲーフ・ボラードの時間
チーム戦の合間に話題が集中したのが、かけるさんとザンゲーフ・ボラードの試合。ミラー席へ“安心して寝れる”とレイドが飛んで来るほどの注目マッチで、画面端の受けからの切り返し、無敵擦り潰し、投げ回りのどの段でボタンを離すかが連続で試された。観戦中は「ザンギーの試合、やってる側は最悪なのに、見てる側は最高」との総括も出るが、それは詐欺飛びに“寄っている”こと、そして“暴れ潰しや下がる読みラッシュ”のようなコンマの判断の積み重ねがあるからだ。実際、相手の下がりに合わせたラッシュの差し込みからS1へ完走できればリーサルという局面まで作っており、ボタン一つのかけ違いが勝敗を割った。
- 端での投げ圧と暴れ潰しの読み合いが交錯した場面
投げ択の存在は初心者にとっても“画面端から抜けるためのじゃんけん”であり、ゲーム全体の設計としても必要悪であることが語られたのも興味深い。
ラシードの走破性に挑むRyuの審美:EndingWalkerさんの押し引きが配信を沸騰させた
この配信で最も熱量が跳ね上がったのは、EndingWalkerさんのRyuが連戦で見せた“勝利条件の積み上げ”だ。差し返しの刺し方、飛ばせて落とす構え、ゲージの貯蔵と一気の投下、すべてがシームレスに繋がっていた。ボンちゃんさんのラシードは波動の少なさに対し、ラッシュを増やして前へ出る選択で構造的に押しに行くが、Ryu側は中足の空振り時間に昇竜入力を仕込んでおき、飛びが重なる瞬間にだけ刈り取る“暇な時間の入力”まで徹底。地上で削られても一度の対空で空の意思決定を破壊し、その先の打撃択で主導権を握る。ドライブゲージの削りはRyu側が“守りの選択”でいなす場面が目立ち、EndingWalkerさんの想定外の展開をつくらせず、逆に面食らわせる防御技術が勝ち筋を支えた。
- ボンちゃんさんが中足空振り時間に昇竜入力を仕込んで対空を通した場面
- 差し返しからドライブ管理で主導権を取り切った締めのラウンド
実況卓でも「このままならEndingWalkerさんが優勝もあり得る」とたびたび口にされ、アンダードッグがレジェンドを撃破する“歴史的瞬間”の予感が場内の空気を震わせた。実際、終盤までその勢いは止まらず、二度の大きな山場を乗り越えるたびにチャット欄は「すげぇ」「返したな」の嵐。配信での“英語実況の訳し”も相まって、グローバルな熱狂の温度が画面越しに伝導してきた。
大会の総括局面では“アウェイの中、Ryuでの優勝ルートを歩む難度と格好よさ”が強調され、ミラー席も大満足の締めとなった。
ラウンド中の“数式”を読み切る:ベガのSA2、OD連携、そして丸さの本質
配信ではキャラ相性の議論も濃く、特にベガとブランカの“丸さ”の差が説得力を持って語られた。ブランカはペースを握れないとシンプルに負けるが、ベガはタメ課長戦(跳ねる派生を含む)や立ち中Kといった確実な前進手段で、相手の流れを切らしにくい。また、OD課長戦の連携で、なぜかドライブゲージの収支が“打った側が得をする”場面があり、数式としてバランス違反だとする意見も飛び出した。実戦では“玉抜けや無敵”としての使い方が弱いSA2を回す発想自体が薄くなりがちで、SA2で勝ち筋をつくるには相手の玉に合わせる以外の工夫が必要になる。終盤の試合では、実際にSA2でしか勝てない状況もあり得るため、ベガ側でも“回す”判断が求められるという示唆もあった。
「飛ばせて落とす」教科書の改訂版:差し返し、対空、そして投げ択まで繋ぐ導線
EndingWalkerさんのRyuに象徴されるが、今作は“飛ばせて落とす”古典の完成度が勝敗へ響きやすい。差し返しの精度は「動いた瞬間に押してしまう」人間反応を狙い撃ちにする形で生き、ドライブ削りでガードを固めさせ、最後は投げ択で完遂。配信でも「差し返しを見てから押すと食らってしまう」「ドライブゲージを削る人」と要点が端的に解説され、検閲に耐える実戦言語で整理されていった。Ryuミラーを経た使い手が“合気(豪鬼)を通ってから戻る”ケースの話もあり、攻めの速度と対空の意識の両立がどれだけ難しいかの臨場感も伝わる。
細部が勝敗を決める“暇な時間の入力”:中足空振りに昇竜仕込み、開幕弱系ラッシュの位置取り
配信が“解説としてすごい”のは、煌びやかな瞬間だけでなく、地味な仕込みの価値を掘り下げた点にある。中足空振りの数フレを“暇”と捉えず、昇竜入力を置いておくことで、飛びが重なった時にだけ刈り取る。開幕の弱系ラッシュで半歩押し込み、ヒットなら位置取り、ガードなら暴れと後退を束ねる。空中ヒット確認から中段に切り替えるのも、視線が上に行った瞬間の“見え方”で成立している。これらは配信席の口から生まれ、視聴者は「なるほど、だから今のは通ったのか」とストンと腹落ちしたはずだ。
チャットも一体化する熱:歓声、悔しさ、そして応援が押し引きの波に重なる
配信が良かったのは、観戦者の視線が逐一ゲームの中身に戻ってくること。たとえば梅原さんの勝負所に「ウメちゃん頑張れぇ」とチャットが走ると、それは単なる応援ではなく、“今が飛び所”“ここで差し返せ”という集団の祈りに聞こえた。超火力の返しに「すごかったな」「良く返したな」と実装の負荷を踏まえた称賛が続くのも、この場の文脈が視聴者に共有されている証だ。終盤、アンダードッグの快走が見えた時の「絶対ありえる」という熱も、単なる夢想ではなく、差し返し精度と対空成功率が数字以上に“空気”を動かしていたからこその確信だった。
締め:成果は“語彙”として残った。次は豪鬼実装後、Ryu対策の再定義へ
今回のミラー配信の成果は、単に名勝負を見届けたことではない。JPの遠距離制圧をくぐるルート、ザンギの詐欺飛びと無敵ケア、ルークの開幕弱系ラッシュからの圧の掛け方、ガイル戦で“飛ぶ”と決断する条件、ラシードに対してRyuが“暇な時間の入力”で上を閉じた導線。どれもが次のランクマッチや大会視聴で使える“語彙”として、こちらの手元に残った。個人的な白眉は、EndingWalkerさんの守りの粘りと、押し切る時の一段上のギアの入れ方だ。差し返し、対空、投げの三本柱が一本の導線に束ねられた時、勝敗は“見える”ようになる。次回は豪鬼の追加やバランス調整で環境がまた変わる。今回配信で共有された「Ryu対策をみんなで進めよう」という合言葉から、読み合いの型は確実にアップデートされるはずだ。獅白ぼたんさん、RCあきらさん、折咲もしゅさんの視点で鍛えた“言語化の目”を持ち続け、再び世界のトップの指先を追いかけたい。
外部リンク
- ストリートファイター6 公式サイト:最新アップデートやキャラクター情報はこちらを参照。https://www.streetfighter.com/6/
- Red Bull Kumite 公式イベントページ:大会フォーマットや歴代王者の情報。https://www.redbull.com/jp-ja/events/red-bull-kumite
- ホロライブプロダクション公式サイト:獅白ぼたんさんの所属情報。https://hololive.hololivepro.com/
- 獅白ぼたんさん 公式YouTubeチャンネル:配信アーカイブと今後の告知。https://www.youtube.com/channel/UCUKD-uaobj9jiqB-VXt71mA
補遺:本配信で言及された具体トピックの抜粋
- ブラズさん、ニャンピさんの勝ち負け推移が“一先のエンタメ性”と地力の両方を映した。
- 5先イベントの少なさと“読まれてからのもう一手”の重要性。
- ルークの火力と、現行は“前よりかわいい”という歴史的比較。
- バーンアウトをあえて攻め中に迎えるJPのリスクヘッジ。
- ベガのSA2の使いどころと、ラシードへの走破圧への対処。
視聴者リアクションの断片
- 「ハーゲンダッツで」など緊張緩和の雑談もあったが、試合の山場では一斉にゲーム内へ視線が戻る。
- 「すげぇ」「返せないやつ」など、逆転劇や必殺択に対する即時反応が熱かった。
参考クリップ(再掲)
- JPの弾幕をくぐってザンギが触りに行った場面
- 空対空意識を逆手にとったジャンプインから主導権を取る場面
- 玉を盾にSAを溜めつつ、勝負所でだけ飛ぶ選択を通した場面
- ボンちゃんさんが中足空振り時間に昇竜入力を仕込んで対空を通した場面
- 差し返しからドライブ管理で主導権を取り切った締めのラウンド
最後に
このミラー配信は、格闘ゲームを「見る技術」を強くしてくれる。勝敗の背景に眠る“暇な時間の入力”や、“飛ぶ”と決断する根拠、“守り”が攻めを面食らわせる瞬間。それらを、獅白ぼたんさんたちの視点が丁寧に拾い上げてくれた。大会は終わっても、視聴者の手元には“次の読み合いの言葉”が確かに残った。次の世界大会も、この語彙で見よう。そしてまた、その語彙で勝とう。